2009年12月03日

こんぴゅーた 追い討ち

そもそも我々が現在多用しているコンピュータ
とってもとっても古いもの、という事をご存知でしょうか?

あっアップルのマックは新しいですよ。

窓際族と呼ばれるウインドウズというOSが動くコンピュータ、正直かなりの年代モノです。
オラのマシンはこないだ買ったばかりの最新型だぞー
という方、何も分ってらっしゃらない。

ではその最新型のコンピュータの中身の設計は?

パソコンの歴史で忘れてはならないのが設計です。
アップルもIBMも東芝やNECも富士通もそれぞれ独自の設計でマイコンを作っていました。
あのセガだってマイコン作ってたんですよ、SC-2000だっけ?
当然互換性は無く、ソフトも各メーカー独自です。

そんな中で登場したのがIBM-PCです。
IBMは今までトップシークレットだった内部設計を公開しました。
当然それをコピーするメーカーが乱立します、IBMはシェアこそ低下するものの、このIBM-PC設計のマシンが大挙してマーケットに出回ります。
仕様が決められて分っているので沢山のメーカーがオプションパーツも作ります。
そしてマイクロソフトを始めとするソフトウェアメーカーは・・・
少数しか売れないソフトを作るより、1つのソフトが沢山のメーカーのマシンで動かせるIBM-PC設計に則したソフトをどんどん作っていく訳です。
そうしてマイクロソフトはMS-DOSで一大ソフトメーカーとなり、IBM-PCはデファクトスタンダードとなりました。
でもこれは海の向こうの話

日本ではNEC・富士通・東芝・日立・シャープ・ソニーなど沢山のメーカーがマイコンやパソコンを独自規格で作ってました。やっと同じ設計でやろうとMSXとか作りました。
IBMのPCが日本市場に入ってこれなかった理由、それは簡単です。
アルファベットだけ使えればよい外国のPC、日本のPCはアルファベットに加え、ひらがな、カタカナ、膨大な数の漢字を扱えなくてはなりません。
日本のコンピュータはこれらをハード(漢字ROM)で供給していました。文字を表示させるために漢字ROMが基盤に付けられていた訳です。
アメリカのPCは設計が共通なのでボードに日本独自の漢字ROMを付ける事が出来ません、この漢字ROMの存在が障壁となったのです。

NECのPC-98が全盛の頃、画期的な出来事が起こりました。
インテルのプロセッサー(CPU)の性能がUPし、SIMMメモリーの登場、ハードディスクの普及などこれまで処理能力の問題でROMに頼らざるしかなかった文字のデータ、これがソフトウェアレベルで解決できるようになったのです。

これは日本のコンピュータ市場にとって革命的な出来事でした。まさに黒船来襲だったんです。
IBM-PCをMS-DOSで動かす、そこでDOS/Vというプログラムを動かし、更にDOS/V上でウィンドウズが日本語で動かせるようになったのです。
マックもシステム6に日本語パッチを充てて日本語が使えるように・・・プロセッサーはモトローラ68030
IBM互換機、つまりIBM-PC/ATがDOS/Vを引っさげてPC98独り勝ち状態の日本マーケットへ大挙押し寄せた・・・
この時僕は20歳でサラリーマン2年生でした。
この情報を知った時、PC業界に行けば大儲けできると確信していたものです。
その頃遊んでいた僕のマイコンはシャープX1-Dとターボでした。

モトローラ68040の登場でマックはシステム7となり、漢字Talk7が発売され日本でマックブーム到来。
窓際族陣営は使いにくい窓際3.1から窓際95の大フィーバーとなった訳です。
ウィンドウズは日本ではVer3.1から、英語版では当然Ver1.0や2.0が、マックもシステム5とか4があります。
窓際95はその後98-Me-NT4.0-2000-XP-Vista-7と移りましたが、これらはあくまでソフトの話
ハードは・・・・
大昔のIBM-PCアーキテクチャから基本的に変わってない・・・・
変えられないと言う方が正かも・・・

一方のマック、サードパーティが無いのでハードの基本設計を改めてもソフトウェアレベルで互換性を保ちつづければよい訳でして・・・
PowerMacintoshが登場、これまではモトローラ製のCISCプロセッサだった680X0シリーズを使っていましたが、設計性能の限界からRISCプロセッサであるIBMモトローラ共同開発のPowePCにスイッチ
でもインテルプロセッサの窓際族陣営は次々に新しい高速CPUを発表、モトローラはマックだけの為に開発しているようなものですから開発予算が足りずにスピードが追いつきません。
業を煮やしたアップルは、モトローラに見切りをつけてライバル陣営が採用するインテルCoreDuoブロセッサを採用、ここに窓際もマックOSも動くハイパーマックが誕生っと

今のマックはオツムがインテルCoreDuoとかなら両方のOSを起動することが出来ます、つまりマックの中にIBM-PCがあるって事
IBM-PCってそんだけ古い時代の設計を引きずって今でも使いつづけられている

だから最新型の窓際だろうと何だろうと、根本は一緒で古い設計使いつづけているから「新しくない」
ちなみにVistaの64ビット版とか?は新しいんですよ。その代わり互換性ゼロなので古いソフトは動かせないんですねー。

昔の窓際はファイル名も16文字とかの制限があったし、HDDのフォーマットも未だに制約あるでしょ。
古い設計に最新技術で誤魔化しが入るから安定性と互換性に問題を来たし、
俗に言う「相性が悪い」というトラブルの元凶な訳です。

あー疲れたので寝ますかね。
明日は中津の向こうで屋根のぼらんと・・・



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Posted by ペーター at 02:34│Comments(6)アラカルト
この記事へのコメント
ちなみにEXCELってソフトはマイクロソフトがマックの為に開発したソフト
だからマック用にはVer3.0とかあるけど窓際用には存在しない。
それはVer4.0の時代になってやっと窓際用に移植されたから。

もともとビル・ゲイツもマックのスティーブ達も友達だから同じ穴の狢って訳
マックのGUIもゲイツは当然知っていたからPC/AT用にマックのGUIを真似したWinを開発したって訳さ。

世の中そんなもん
Posted by ペーターペーター at 2009年12月03日 02:38
はい♪私も互換性の悪さに何度も泣かされた経験があります。
そこにはこんなからくりがあったんですね~!フムフム
お勉強になりました。ありがとうございます!
Posted by ロッキンチェア at 2009年12月05日 06:55
さすが物知りでございます。
N社にいたころは88ユ-ザ-のPC98修理担当でひた(笑) で、今もご存じの通りあまり多くを語れない....秘密野郎ですみません(^^;
Posted by くま at 2009年12月05日 07:26
ロッキンチェアさん
互換性の悪さはこのPC/AT設計が一因ですからねー、仕様書っても煮詰められているわけではなく大枠が決められている程度らしいので、サードパーティ各社は勝手な解釈でさまざまなパーツやボードを作りますよね。
でソフトでも邪まな考えで使われていない領域を寸借して使ってたり・・・それがアタル原因とかにもなったり・・・
膨大な数のサードパーティが存在するので、全てをチェックとか物理的に不可能ですしね・・

くまさん
N社は初耳でした・・・
昔は基盤ひっくりかえして修理してたのに、今ではASSY交換ですもんねぇ・・・
基盤にはんだゴテ充ててるのはつねさん位のもんです。
Posted by ペーター at 2009年12月05日 10:03
ところで・・・ペーターさん、何でそんなに詳しいん?
Posted by もともぉむすもともぉむす at 2009年12月06日 19:46
もともぉさん
そりゃ通勤電車の中でお勉強していたからです。
っても会社にあった日経ビジネスとか日経PCとかの雑誌を帰宅時と出社時に読んでただけですけど・・
Posted by ペーター at 2009年12月06日 23:18
 
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