エンジンは何基目?

ペーター

2009年05月30日 14:29

モナコGPはブラウンGPの1-2で終わりました。
ライバルのトヨタとレッドブルが沈んだ為、チャンピオンシップもブラウンかなり有利な展開です。
6戦して5勝、圧倒的な結果です。
コンストラクターズポイントは既に2位とダブルスコアにぶっちぎってますな。

モナコGPは狭い市街地サーキットという事もありますが、今時のF1に勝つための要素である空力やエンジンパワーが通用しないサーキットです。
レースの平均速度も他のサーキットより著しく低い。
モナコで勝つ為には、ドライバーの腕と立ち上がり加速性能がモノを言います。
モナコは抜けないサーキットなので、後ろはブロックラインを走り続ける事で抜かせないように出来るからです。
92年のモナコではタイヤが限界でズルズルのセナを、フレッシュタイヤのマンセルがガンガン攻めるけどセナのブロックで抜けなかったというF1史上では有名なバトルがございましたね。

加速性能を良くする為には、タイヤのグリップを向上させる必要があり、グリップを向上させるためにはダウンフォースを沢山つける。空力が関係ないサーキットなのでバランスを無視してまでウイングを立ててダウンフォースを稼ぎハンドリング重視のセッティングが求められるようです。
今年はウイング周りのルールが大きく変わったので過去のデータが使えません、セッティングに失敗したトヨタ勢などはああなってしまう訳です。

でエンジンパワーもさほど必要とされないので、各チームどのエンジンを使っているのか?
が今年のトレンドのようです。
今年のルールでは1ドライバーあたり8基のエンジンで17戦を戦わねばならなくなっています。
タイヤやウイング、そしてKARSなどのルールは耳にする事が多いですが、エンジン制限は地味なルールなので余り語られる事は無いですね。
CS放送のF1GPニュースで川井氏がやっとこの部分に触れました。

FIAは各チームがエンジンを何基使ったかの情報はリリースしているそうです。
でも何番のエンジンを使ったかは教えてくれない・・・
8基のエンジンで17戦という事は、最低でも2戦、エンジンを壊してしまうと同じエンジンで3戦戦う必要性があるという事ですね。
エンジンは2.4L-V8で18000回転の統一ルール、既に熟成の域なので開発要素は「耐久性とパワーと燃費」ですが、パワーと燃費はドングリの背比べみたいです。

でモナコ終了時点で、4基使っているチームと3基のチームがあるそうです。
エンジン8基と言っても全て同じな訳は無く、各エンジンごとに当り外れはある訳です。
エンジンの寿命はマイレージ(走行距離)で設定されており、ナンバー1-3or4のどのエンジンを使うかは各チーム戦略でもある訳です。
川井氏解説によると、負荷も少なくパワーも関係ないモナコでは「一番ダメなエンジンを使うでしょ」と。
なるほど、他のエンジンを温存して、壊れても構わないエンジンを使う事で他のレースに使える残りエンジンを有利にするという訳ですな・・。
終盤戦でモノを言いそうですな。
今までのレースでエンジンを壊してしまっているチームは、おのずと使えるエンジンに制約はあるし、NEWエンジンを下ろしてきたチームもあるようです。でもモナコでNEWを使うより、次のトルコで使ったほうがチームとして有利な戦い方が出来るのは明白ですよね。
何チームかのエンジンがモナコではブローしてまいすが、これらは「そもそも限界のエンジン」を使っていた為で、別に何かしくじっていた訳では無いようです。

そしてもし8基のエンジンを全部壊してしまったら・・・
9基目のエンジンを使うことは許されているそうですが、10グリッド降格のペナルティ付だそうで・・・
ポイント争いをしているライバルチームを出し抜くには、マシンに載せるエンジンNoの探りあいというのも今年の水面下の戦いのようです。

つくづくホンダが撤退さえしなければ・・・
ホンダGPはウイリアムズホンダ時代の圧勝の伝説を新たに出来ていたのに・・・
来年ブラウンを逆買収してカンバックしてくんないかなぁ・・・

来シーズンの予算制限を巡って既存チームとFIAではゴタゴタしているようです。
その横では新しいチームが続々とエントリーを提出
USF1
ライトスピード
カンポス
名門 ローラ
そしてBARホンダの片棒デビット・リチャーズ率いるプロドライブ・・・去年までスバルでWRC

現在参戦中のウイリアムズを除く全チームも「条件付き」でエントリーしたようです。
来年は来年でまた楽しみですね。




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