アリとキリギリス

ペーター

2008年12月07日 12:03

非正規雇用という言葉があります。
これは期間契約社員や派遣労働者を指し示す言葉です、非正規・・・
つまり彼らは正規雇用ではなく、言うなれば臨時雇用であります。
株式会社など営利企業と呼ばれる企業は、最大の利益を追求し配当することを株主から求められています。ですから製造業などでは景気の良い時の増産においては、正規社員増員はもちろんですが、ある程度は非正規雇用によって労働力賄うことで「景気減退による生産調整時のバッファー」としている訳です。
生産が減り売上が上がらないのに工場には暇を持て余している正社員が沢山いて給料を毎月支払うなんてことは会社の存続にも関わりかねないですからね。
人件費というのは企業経営にとってとても重要な要素なのです。
社員の生活費ですから毎月待ったなしですからね。

過去の日本においては非正規雇用については法律で厳しく規制されていました。
外国でレイオフ(生産調整による余剰人員解雇)が社会問題化されていたからです。
しかし日本も法律を改正して非正規雇用が増えてしまいました、これは歴代経団連の首脳陣がそう仕向けた?と言っても過言ではないかもしれません。

そして自動車や半導体、精密機器など現在の日本の景気を牽引する企業はこぞって非正規雇用を拡大して増産、業績を伸ばしてきました。
非正規なのですから会社の業績が傾けば真っ先に雇用を切られることは
はじめから分かっていた事です
それを今更大騒ぎしたって始まりません。

非正規雇用でそれなりの期間を働いてきた人達にも、派遣先の正社員になるチャンスは幾度となくあったはずです。
現に大分キャノンでは派遣を辞めて大分キャノンの期間契約社員を経由して正社員登用という事を積極的に行なっていました。
私の周りにも何人もの知り合いが期間契約社員から正社員に無理やり成っています(期間契約社員と正社員は待遇が異なり短期で見れば期間契約社員有利なのです)
そんな中でかたくなに非正規雇用のままで居つづけた人もいます。

まさにアリとキリギリス
命運が分かれました、あれだけ毎月のようにやっていた正社員登用試験がパッタリ開催されなくなっているそうです。
期間雇用契約の契約更新も恐らくされないだろう、契約満了で解雇となるだろうと言われています。

今大変な境地に立たされている方が沢山居ます、しかし、皆さんにもチャンスはあったはずです。
そのチャンスに気付いた人、気付かなかった人、チャンスを手にする行動を起こせた人起こせなかった人、結果が全てを物語っていますね。

私たちが支払う税金の中から、解雇される非正規雇用労働者の救済策として少なくない額が拠出されるようです、致し方ないとは思いますがその救済を受けられる方々に申し上げておきたいです。

貴方達がアリのようにコツコツと苛酷な条件下で働いていたことは知っています。
しかし、自分達はアリだと思っていた貴方方は所詮はキリギリスだったのだ、という事を自覚してください。キリギリスとして働いていたんです。
次は是非キリギリスではなく、アリとして働ける職場が見つかることを・・




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